住職法話

決断は欲を捨てるところから始まる

住職法話| 20 /23

「おしょうさん、なかなか決断が出来ないのですが!毎日、悩みに悩んでも、決断出来ず結論がでないので…」と言って、お寺に御相談に来られた方がおられました。

皆さんも、何か重大な事柄が起こったり、何かを始めたりするときに決断が出来なくて困ったことがありませんか?

簡単なことですが、たとえば毎日の生活や日常の中で、「どちらを選ぶか」といった、決断を迫られる場合があります。

買い物に行って、どちらの洋服がいいか、どちらの色がいいかで悩んだ経験は皆さんにもあると思います。値段が安い物ならまだしも高価な品物を選ぶとなれば尚さらのこと悩んでしまうものです。ましてや両方とも気に入ってしまえばなかなか決めにくいものです。

子供が限られたお小遣いのなかでどのお菓子を買うのかということに悩むのも、一つの決断といえるでしょう。こういった選択には「決断」という言葉は少しおおげさ過ぎるかもしれませんが、何か一つをとって他を捨てなくてはいけないということから考えれば、これも一種の決断と言えるでしょう。
こちらの洋服も素敵だけど、今日はこちらの洋服がセールになっていると迷ってしまうのは、どちらかを捨てきれないで、どちらも欲しいという「欲」があるからです。

欲を捨てることはなかなか難しいことです。

迷ってどうしようもないのなら、それなら両方買えば解決するのではと思われる方もおられるでしょう。
確かに、品物であれば両方買えば解決するかもしれませんが、会社の命運に関わるような事を決めることや、就職試験を受け数社の会社から採用されることになり、それも数社とも希望していた会社であったというような場合は、すべての会社に就職するわけにはいきません。どれか一つを選択しなければならない自分の人生の大事なことを決めないといけない事柄であると、益々悩んでしまうものです。

人間関係がうまくいかず行き詰まりから脱出してなんとか改善しなくてはならないとき、事業が停滞したりして新しい分野に挑戦・進出していこうとする場合も同様です。
事業の場合はとくに「以前はこれで上手くいっていた」 「今までのやり方でそれなり成果がでていた」と言う過去にとらわれる思いを捨て切れないものです。しかしその過去に囚われていては、新しき出発どころか取り組む決意も鈍り決断もできません。

大切なのは「どちらも両方うまく得よう」といった「欲」を捨て去ることです。
「欲」が決断を惑わす。決断とは欲を捨て、より大きな成果を目指し、強い意志(信念)を持って邁進するところから始まっていくのです。

私の選んだのだから間違いない。このことが私にとって最善のことであるという信念と覚悟をきめることこの覚悟を決めることが人生の責任であり、新たなる一歩となるのです

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